桑の乳液に殺虫物質、農生資研など発見――農薬に活用も
2006 年01 月24 日, 日経産業新聞
【つくば】農業生物資源研究所の今野浩太郎主任研究官らと食品総合研究所は、桑の葉から分泌される乳液に、カイコ以外の昆虫にとっては毒となる物質が高濃度に含まれていることを発見した。
アルカロイドと呼ばれる化学物質の一種。血糖値を下げ、糖尿病を抑制する働きを持つので、桑の乳液が農薬や医薬品の有望原料として活用できる可能性がある。
カイコとは別のエリサンというガの幼虫で実験したところ、通常のエサを食べたグループは四日間で体重が約十二倍に増えたが、桑の乳液を二%含むエサでは体重増が五倍にとどまり、同一〇%では二倍、同二〇%ではすべて死んだ。
乳液を分析すると糖類に構造が似たアルカロイド三種類が得られたという。
これらは桑の組織全体から抽出しても得られるが、含有量は乾燥重量で0.1〜0.01%と超微量。しかし、桑の乳液の含有量は同8〜18%と非常に高く、精製もしやすいと考えられる。
「桑は養蚕で数千年も使われてきたが、カイコに無毒だったため、他の昆虫への毒性があるとは考えられていなかった」(今野主任研究官)。成果は米科学アカデミー紀要オンライン版で近く発表される。
クワの葉っぱ、蚕以外には毒 農業生物資源研など研究
朝日新聞2006 年1 月24 日 朝刊
蚕の餌となるクワの葉には、ほかのガの幼虫には毒になる成分が含まれることが、農業生物資源研究所(茨城県つくば市)などの研究で分かった。毒の成分の一部は、人の医薬品として使うことができる。成果は今週の米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
蚕とは違う種類のガの幼虫にクワの葉をそのまま食べさせたところ数日で死んだ。葉を細かく切り、葉を傷つけたときに葉脈からしみ出る乳液を洗い流してから与えると、死なずに成長した。乳液に含まれるアルカロイドの一種と、未知の高分子物質が毒性の原因らしい。

